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「………っ」
抑えてた涙が
込み上げる
時系列関係なく
私の中で交錯する
過去と現在
そうか
今日は13回忌だった
早朝の交通事故だった
信ちゃんママからの電話も
お線香の匂いも
周りが泣いている事も
私は認めたくなくて
会いたくて会いたくて
でも夢にすら出てきては
くれなかった
それでも
流れゆく年月は皮肉なもので
ゆっくりと
私の痛みと傷を埋めていった
今年
こうして
貴方のお墓に来たのは
結婚したよって
約束破ってごめんねって
きちんと
謝りたかったから
時が止まってしまったあなたを
置き去りにする事を
信ちゃん…
あなたは
全部、分かってたんだね
だから今
会いに来てくれたんだね
本当のさよならをする為に
信ちゃん…
あなたがいなくなってから
初めて言うよ
「有難う、信ちゃん」
瞬間
温かい優しい風が
私を包んで
ゆっくりと
消えていった
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