第一章~‡契刻の獣者‡

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ウォッカ「何だよ…もぅ…」 僕はハァと溜め息を吐いた。 僕の名前は、ウォッカ・カルテッド ニックネームはウォカ。 19歳で絶命した、猫族の生き残り。 実は、種族が絶命したことは、あまり覚えていないんだよね…。 記憶がどうも、欠けてるみたい。 知ってることは、同族である狐族によって僕の家族は殺されたってことだけ…。 しかも僕は、狐族の妖狐に呪縛をかけられた…らしい 今でもくっきり、首の下に、呪縛印がある。 この事は全て隣にいるキルスに教えられた。 元、子(ネズミ)族であるキルス・フォーマ。 ニックネームはキーフォ。 子族は、猫族と敵対だった種族なんだけど…。 でもキーフォは全然敵対しなかった。 それどころか、猫族が滅んだとき、拾い育ててくれたのはキーフォだ。 そのせいで、キーフォは一族を追い出され、落胤の跡を顔に付けられてしまった。 だから、今、僕と一緒に居る。 僕は追放されたキーフォに何度も謝って、 ごめんね。 ごめんねって… 今でも、憶えてる。 でもキーフォは僕を責めずに笑っていた。 そんな気がする…
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