記憶の無き男の行方……。

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よく見ると殆どの店が開いている。 今、何時なんだ? そう思いつつあることに気づく。 「此処のお金持ってなかったっけ……。」 自分の持ち物を探ってみる。 すると、金貨が少数、銀貨、銅貨も入っていた。 「私の元いた世界のお金かな……。」 少しくらい消費しても何とかなるだろうと思い、両替商を探した。 両替商に金貨、銀貨、銅貨を数枚ずつ出した。 両替商によると、 「これはかなりの価値があるね、金、銀、銅としての純度が高い。」 「そうですか。」 両替商はそれらを4200円に替えてくれた。 これで当分は何とかなるな。 ……でも、1円はおよそ何円の価値なのかなぁ。 立ち並ぶ店の間をゆっくり歩きながらどうしようか、考えていた。 「ちょっと其処のあんさん!」 振り向くと店の人に呼び止められた。
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