第十八章

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『友達と思っていた人から告白されて、どうしたらいいのか分からずに悩んでいます』 しばらくすると、返事が届く。 『そうなんですか…パルスさんは告白を受けた時、嬉しいと感じましたか?』 『よく…分からない。とにかく頭が真っ白になっちゃって…』 『そうですか…でも、こんなに真剣に考えてくれているんだから…相手の人は幸せだと思うよ。少し、うらやましかったりします。そういえば、以前パルスさんは私に、好きな人がいるか尋ねてくれましたよね』 『そう、だったかな?』 『好きな人は、います。ただそれは私の一方的な片思いで…だから告白するだけの勇気を持っている相手の人が、うらやましいです』 勇気……果たして、それだけだろうか? リナは言っていた。今の関係が壊れるのが怖いと。それでも気持ちが抑えられないと。 確かに勇気は必要だっただろう。でも、それ以上に…そうせざるを得ない程に追い詰められていたのではないだろうか… 『男性と付き合った事のない私に、いいアドバイスはしてあげられないけど… パルスさんの気持ちは、きっと相手にも伝わるから。 私も、応援しているからね』 メールから、パンジーさんの優しさが伝わってくる。 俺の、気持ち…… それは―――
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