第二十三章

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俺は泣いていた。 ポロポロと、とめどなく涙が零れ落ちる。 アオイちゃんは…アオイちゃんは今も頑張っているんだ。 生きようと…生きたいと頑張っているんだ。 俺は力強く、アオイちゃんの手を握る。何度も、何度も名前を呼ぶ。 そんな俺の様子に気付いたのか、医師と看護師が病室に入ってきた。 「どうされました?!」 「……せんせい……あおい…あおいちゃんが……あおいちゃんが……」 「とりあえず診察だ!急いで準備を!」 「すみません、廊下でお待ち下さい!」 看護師の1人に俺は廊下へ連れ出されてしまう。 「アオイちゃん…! アオイちゃんッッ!!!」 その叫びは、扉によってさえぎられてしまった。 廊下の待合室で俺は1人… 泣き崩れていた――
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