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病院に着き、アオイちゃんの元へと向かう。
「おはよう、アオイちゃん」
病室へ入ると、アオイちゃんはベッドに座り、じっと外を眺めていた。
アオイちゃんは手術の甲斐があったのか、目を覚ます事は出来た。
しかし何も話してはくれない。いつも虚ろで、自分で立ち上がる事すら出来ないでいる。
これが医師の言っていた、後遺症というものなのだろう。
しかし命は取り留めた。それだけで俺は…嬉しく感じる。
「今日、メグミさんの所へ寄ってきたんだ。これ、アオイちゃんにって渡されたよ」
先程貰ったお守りをアオイちゃんに握らせる。
「早く元気にならなきゃね」
微笑んでみせるが、アオイちゃんはいつもの通り…無表情。
「外、見てるの?今日はすごいいい天気だよ。――そうだ、散歩にいこうか」
看護師に許可をモライ、アオイちゃんを車椅子に乗せて院内の庭に出る。
「じゃあ、行こうか」
自分のジャケットをかけてあげて、ゆっくりと車椅子を押す。
外に出ると、樹は見事なまでに桜色に染まっていた。花弁が舞い散り、とても綺麗だ。
「うわ、すごいな。満開だ。こうして一緒に桜を見るのも、何回目かな?」
「――あ、ここにいたんだ?おーいっ」
声が聞こえて振り返ると、そこには見知った顔が。
カズと、サオリちゃんだ。
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