第二十四章

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結婚式は身内だけで行い、さらに子供もいると聞いた時は驚いたモンさ。驚かなかったのは、アオイちゃんくらいか?…まぁ、それはそうだろうけど。 「アオイ、調子はどう?あ、ほら。髪に桜が付いてるよっ」 サオリちゃんは、そういうとアオイちゃんの髪を撫でてやる。 「…相変わらずか?」 傍に寄って来たカズが話しかけてくる。 「アオイちゃんか?…まぁな。気長に待つさ。それに今、俺は幸せだぜ?」 「ははっ。大人になったよな、オマエも」 「オマエなんて父親になるんじゃねーか」 「ははっ。…ところで話は変わるんだが…リナちゃんの事だけどさ…」 「……ああ……」 リナとは高校を卒業してから、1度も会っていないし連絡もとっていない。 というのも、リナは県外の大学に入学し、全然地元に戻ってきていないのだ。 「リナちゃんと同じ大学に通うダチから聞いたんだけどさ…元気みたいだぞ」 「そっか…それならよかった」 「リナちゃんに、伝えたい事はあるか?」 「そうだな…俺は今、幸せだから…リナも幸せになれよって、そう伝えてくれ」 「そうか。分かった」 そう言うとカズは、俺の肩をぽんと叩いた。
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