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その日の夕方。病室へと戻り、アオイちゃんをベッドへと座らせた。
「よい、しょっと。アオイちゃんは軽いなぁ。もっとしっかり食べなきゃダメだぜ?」
腰まで毛布をかけてあげて、カーテンを開ける。すると
「うぉ…これまた、すげぇな」
それは夕日だった。窓から注がれるオレンジの暖かな光が部屋を照らす。
「綺麗だな、アオイちゃん。傍に来て見てみる?」
アオイちゃんをお姫様だっこして、窓辺へと近寄る。
「どう?見える?綺麗だよな」
アオイちゃんは、ただぼんやりと夕日を眺めていた。
俺は、そんなアオイちゃんの横顔を見つめつつ微笑む。
「…よし、そろそろベッドに戻ろうか。春とはいえ、日が落ちると寒くなるからさ。風邪ひいちゃうといけないだろ?」
俺はベッドに向かう為、身体を反転させる。すると――
――ぎゅっ
「―――えっ?」
俺の服を、アオイちゃんの腕が…掴んでいる。
まるで、もっとこの光景を見ていたいと言うように……
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