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森が騒ぐ。
もうじき去っていくであろう冬を惜しみ、留めようとしているかのように怪しく…そしてざわめいている。
一寸先も見えぬほどに暗いはずの木々たちの中にあるのは二つの影。暗さに溶け込み本来ならば見えぬはずの其れが、今ははっきりしているのは如何してか。
月の無い今宵は自分たちが主役なのだと張り切って光を放つ星たちのおかげなのだろうか。
焚き火に焼【く】べた薪がぱきりと音を立てはらはらと消えていった。
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