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「…─犬夜叉、大丈夫?」
「何が。」
「…何がって…」
漆黒の髪を風に靡かせながら胡座をかく少年と、其の隣で膝を抱えて座り込む少女の中で交わされる会話に色恋の雰囲気はない。加えて少年の方は仏頂面だ。機嫌が悪い訳ではない。彼曰わく、「もともと」らしい。
「…今日も寝ないの?」
「おれは朔に寝たことはねぇって前に言っただろう。」
「…だって疲れてるでしょう?」
「疲れてねぇ。」
「…意地っ張り…。」
「な、」
「じゃあいいもん。あんたが寝ないんだったらあたしも寝ないもんっ。」
「はー。」
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