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春の風に乗り 銀の髪が踊る。
彼の軽めに伏せた目が
先の桜を見つめる眼差しが
ほうんの、すこしだけど
(…大人っぽく、なったかな。)
気づきたくないだけだったのかもしれない。気づかないふりをしていたのかもしれない。
どうしても…三年間の空白を感じたくなかった。自分だけ変わらずにいて、自分だけがあのときのままで。
然う思うと、悲しくて。
切なくて。
「何考えてんだよ。」
「へ、あ、ごめん。」
「珊瑚が呼んでるぞ。」
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