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『駅から歩くとどのくらいかかりますか?』
もし、借りるなら家賃の次に大事なこと。
『15分から20分くらいかな』
京都に住む優奈には軽く目眩がする。
地下鉄重視の街ではないので乗り物に乗るのに15~20分も歩くなんて…
しかも、さっきから誰一人歩いていない。
程なくアメリカらしい2階建の白い家の前に停まると
『どうぞ…2階の部屋です』
ケビンが案内する。
中に入ると40歳くらいの女性が出てきた。
『テレサです。2人で?』
『彼女だけです』
そう、よかった。ベッドが小さい部屋しか空いてないからといいながら2階へ案内してくれた。
『日本人?』
『そうです』
『少し前まで日本人がいてね。とってもいい人で家族ぐるみで付き合ってる………』
どこの訛りだろう?聞き取りにくい。
完璧でない優奈には早口の多分何処かの国の訛りのあるテレサの話していることがサッパリ判らなくなった。
【アンディ、何て?】
『やっぱり一人は無理だよ』
【大丈夫だって】
『彼女、話せない?』
英語を話さない優奈にテレサが心配そうに尋ねる
『イヤ、話せます。ただ少しシャイで話せないって言ってしまいますが』
【アンディは私の英語理解してくれるけど無理だって…】『すみません、殆ど話せないですがいいですか?』
『それだけ話せたら十分よ』
テレサが笑顔で家の中のこと街のことを説明する。
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