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迷わず私はその腕に飛び込んだ
と、そこまでは感動の再会。
『遠かった…長すぎる』
私の第一声は「逢いたかった」でもなく「来ちゃった」でもなく関空を出てからの長かった旅への不満。
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彼はAndrew《アンドリュー・通称アンディ》。
英会話学校で講師をしていた。
優奈とは所謂先生と生徒。
クラス担当ではなかったが、よくある出会いだ。
ただ、アンディは真面目にクソが付く程真面目だった。
物静かでシャイでいつも勉強をしているイメージだった。
そのアンディが優奈に声をかけた。
なんと言われたのか優奈には記憶がない。
アメリカまでアンディの後を追ってくるくらいなのに、その出逢いが記憶に残っていないのは
それほど自然にアンディが優奈の中に入ってきたのか
それとも本当に何の印象も残さない程度のものだったのか
今となっては判らない。
アンディ自身も覚えていない…らしい。
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