敵襲

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「サクラちゃんっ、危ない‼」 急に大声を上げたナルトに驚いて前を向いたら彼が私に覆いかぶさって来た。続いて、ガッ‼って何かをえぐる様な音。彼の下から恐る恐る音の聞こえた場所を見たら暗殺用のだろう、見たこと無いクナイが何本か刺さっていた。明らかに殺傷能力は高そうだ。 「九尾を渡して貰おう」 その言葉を合図に50人くらいの他里の忍に私達は呆気なく囲まれてしまった。…九尾?あの13年前にこの里を襲った九尾の妖がなんで今ここで出てくんのよ。見渡してみたら皆も同じ様な顔をして現状を理解出来てないでいる。 「…ハイ、いーですよって渡す訳無いじゃない」 アンタら馬鹿だねって、言いつつ先生達はたったさっきの言葉だけで何かを理解出来たのか、ナルトを庇うように前に立った。 「そうか、それは賢明な判断では無いと思うがな」 「何処の里の廻しモンだ」 「答える意味も無い。そうだろう?お前らはここで始末するからなぁ」 下品な声で嘲笑うそれに身震いを起こした。さっきから痛い程伝わって来た殺気を耐えて来たのだが、下忍で経験も無く、増して人を殺したことの無い私達にはとても長時間持たない。震える手でナルトの腕を掴むのが精一杯だった。だから、ね、気付けなかったのよ。たった一人漆黒の少年が私達とは違う意味で、震えて居たことに。そして下品で愚かなる他里の忍は、彼の逆鱗に触れてしまったのよ。 「何にも知らないようだから親切な俺様が教えてやるよ。お前らが仲間だと思っていたその金髪のガキはなぁ、」 止めろとカカシ先生が叫ぶ声が聞こえた気がした。聞いてはいけない気がするのは、勘違いじゃないだろうと本能が告げていたのだが、それでも最後まで聞いてしまった私達はきっと、アイツらと同じくらい心の汚さを持っていたのかも知れない、わね。 「―――汚らしい九尾のバケモノそのものなんだぜ」 次の瞬間、リーダー格らしく喋っていた男は手足が胴体と繋がってなかった。 。
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