ストリップ女

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五十メートルはあるだろう廊下の窓にへばりつき、奇声を上げる生徒達。まるで夜中街灯に群がる蛾のようだと俺は思った。 近くの窓に近づき、一人の吠えている男の肩に手をかけ軽く引いた。男はバランスを崩し俺の後ろで尻餅をついたが俺は顔も見ずに“わりぃな”と声をかけた。男は舌打ちをして去っていった。多分違う窓からまた吠えるのだろうと俺は思った。 男達が吠えている理由を目の当たりにして驚きと戸惑いが一気に俺の中で駆け巡った。 窓から見えるのは女子校の校舎だ。教室から飛び出すように広がるベランダに三人の女が立っていた。 三人は同じタイミングでクルっと後ろを向き、また前を向いた。そして首に巻いてあるスカーフをスルスルっと脱ぎ捨てた。ブレザーが地面に投げ捨てられているのを見て、俺が教室から聞いた大歓声の正体はあれかと思った。 さっきの要領で一回転した彼女達は、次にYシャツに手をかけボタンを取り始めた。うっすらカラフルな下着が見え隠れしている。男達はまた歓声を上げた。 こいつらはまじで蛾か。と苦笑していると、親しみのある声が俺の右耳から聞こえてきた。窓から離れ声のする方を見ると、誰よりもわめき散らしている二匹の蛾を見つけた。竹下と小川だ。
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