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俺からおよそ10歩程しか離れていない窓際に2人はいた。少しその10歩が億劫に感じたが、とりあえず2人の側まで行き、声をかけた。
「お前のスカウターには戦闘力いくつと表示されてんだ?」
俺竹下の肩をポンと叩き聞いた。
竹下は振り向きもせず答えた。「40000くらいかな。」
「たけぇなおい。」小川は驚いた表情を作っていた。
俺は少し間をおいて言った。「俺のスカウターには1と表示されてるけど。あんなののどこが四万だよ。」
竹下は間を空けずに答えた。「そりゃお前のスカウター壊れてるわ。一番右の子ダントツで可愛いな~」
竹下は目がかなりいい。この距離で顔まで見えるなんてすげぇな。と少し感心してしまった。
女達は一番下のボタンを外すとYシャツを放り投げた。みんなカラフルな下着を付けている。竹下の鼻息はさらに荒くなっていた。男達は今までにない程に盛り上がり「次はスカートだー」などと叫んでいた。竹下は小さな声で“紫か…”と呟いていたのを俺は聞き逃さなかった。
女達がスカートに手を伸ばした所で昼休みの終わりを告げるチャイムが校舎に鳴り響いた。ほとんど同じタイミングで女子校にもチャイムが鳴ったのだろう、三人の女達は男達に向かって手を振り、チラッとスカートをめくり教室へと入っていった。その時の男達の落胆といったら酷いものだった。地面に膝から崩れ落ちる者、窓から身を乗り出し罵声を吐く者、泣いてる奴もいたな。しかし竹下は逆だった。満足気な顔をしていて、どこか勝ち誇っているようにも見えた。
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