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男達は各々自分達の教室へと戻っていった。俺ら三人も階段を下り自分達の教室に向かった。教室に入り席に座ると、少し遅れて杉野がパンをほおばりながら教室の仕切りをまたいだ。杉野は俺の隣の椅子を引くと俺に“おう、遅かったな”と声をかけてきた。
「寝坊した。っつうかお前何してたの?こいつらストリップ見て鼻のした伸ばしてたぜ。」俺は2人を指差し片方の唇を吊り上げ笑った。
「くだらねぇから購買のおばちゃんと話してた。廃棄のパンくれたしラッキー。」
杉野は無邪気に笑うと紙パックの牛乳のストローを加えて啜った。
「くだらなくないから。右の子むっちゃ可愛かったし。俺惚れたかも。」
「やめとけやめとけ、あんなストリップやるような女お前の手に負えねーよ。」杉野は冷たい口調で竹下に吐き捨てた。
てっきり言い返してくるのかと思ったら彼の意識は明後日の方向に飛んでいて、どこか遠いところを見ていた。その時竹下の唇が動いた。声は届かなかったが唇の動きだけで、“紫か…”と言っているのが俺にはすぐ分かった。俺は竹下を親指で指差ししかめっ面を杉野に見せた。
杉野は無邪気に笑っていた。
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