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その日以降竹下の鼻の下は伸びっぱなしで、会話もまったく成り立たない程の有頂天だった。毎日明後日の方向を見ながら、ぶつぶつ独り言を言っていた。相合い傘をした日の独り言が「赤か…」だった事は言うまでもない。
それから一週間と2日後俺らの前で竹下は交際を表明した。彼女が水原真奈美という名前だという事はその時初めて知った。
なんでも雨の日が自分にとってラッキーデイだと思ったらしく、次の雨の日に告白をしたらしい。水原の答えは即答で“イエス”だったみたいだ。
しかしこの時にはまだ、これからあんな事件が訪れるとは誰も予想していなかったのである。
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