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授業を終える今日最後のチャイムが鳴った。三十歳独身の数学教師、須藤がすね毛程もない髪の毛をボリボリと掻きながら教科書をパタンと閉じた。
それが合図かのように生徒達は帰りの支度をし始め、教師がドアを開けるのと同時に席を立った。
「今日はどーする?」俺は杉野に聞いた。
杉野はニコッと笑うと親指を立て“あたりき”と答えた。
俺はゆっくり杉野から竹下に視線を変えた。竹下も親指を立てている。俺は2人に微笑むと携帯をポケットから取り出し小川にかけた。
「もしもし?正門に集合ね。」
“分かった”という返事を聞いた後に電源ボタンを二、三回押した。
よし、という声を竹下が発すると俺ら三人は立ち上がった。
すると、「おい、北川!」と俺を呼ぶ低い声が教室のドアが開く音と同時に聞こえた。
ふっと振り返るとそこには数学の教師の須藤が手招きをしていた。
俺はわざと聞こえる音で大きく舌打ちをしてドアへと向かった。
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