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吉田は黙って静香の目の前に座り重たそうな口を開いた。
「静香さん落ち着いて聞いてくれないか、昨夜入江は斬られた。」
時が止まった気がした…「兄が斬られた？えっ…あ、兄は今どこにいるんですか？」静香は吉田につかみかかった。
「落ち着くんだ！入江は今藩邸で預かっているよ…武士らしい最後だった」
吉田は力無く言った。
「最後…兄は無事ではないんですかっ？」静香はその場に崩れ落ちた。
「静香さん…昨夜俺たちは高杉さんの護衛の為島原へ向かったんだ。そこで壬生浪士と会い斬り合いになって入江は…奴らに殺された…すまない俺がついていながら」吉田は悔しそうに拳を握りしめた。
「俺は奴らを許さない入江の仇は俺が討つから必ず…」
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