第六章 局中法度

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沖田さんが悩んでいる…一体何が起こるというのだろうか…。 悩みとは無縁の様な人なのに他人に弱さを見せない様な沖田さんが…。 「静香ちゃんちょっと手伝ってくれない?」 道場にひょいっと顔を出した女中の吉野。 「あっ今行きますっ」 静香は沖田の肩を叩いて、 「思いつめないで下さい」 と一言残して道場を出て行った。 沖田はため息をついた。吉野が丁度来たことに救われたあのままなら、きっと静香にすべてを話してしまいそうだった…。 本当は静香にすべてを話したかった。今の迷いをためらいを…話したところできっと、彼女は優しい言葉をかけてはくれないだろうな…。 沖田は一人苦笑いをしていた。
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