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何をイッテルノ……。
消え去る沖田の背中を見届け、静香はそのばにしゃがみこみ頭をかかえた。
救われた?私が沖田さんを助けた?
憎いはずなのに…恨むべき相手なのに…。
仇を討つためにここにいるのに…私は一体何をしてるんだ…。
新撰組…決して許す事のできない相手。
あの日を忘れた事なんか無い…だが時間がたつにつれ、記憶があいまいになる…。
まるで忘れようとしているかの様に…。
『入江が斬られた…壬生浪士に』
あの日の出来事は忘れないが正直、思い出す事も少なくなっていた。
静香は膝を抱え丸まり、また部屋から出る気がなくなっていた。
変化だった。
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