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せっかくのお祭りなのに突然の雨。
俺は男用の浴衣を着てたから上手く走れない。
それに濡れるのが嫌。
だから近くにあったお寺で雨宿り中。
お祭り… 楽しんでたのにな…
この雨じゃ中止決定。
ってか、帰れないし。
ちゃんと天気予報見とくんだった。
今更後悔しても遅いけどさ…
亀ちゃんに傘届けて貰おっかな
携帯を取り出して、アドレス帳から亀ちゃんを探す。
電話をしようとしたら、目の前が黒くなった。
「あの、傘ないの?」
そして上らへんから人の声。
そいつを見て俺の第一感想は、
……ちょっと格好いい。
「傘、無いんだよね?」
「…ない。だから雨宿りしてんの。見て分からない?」
「あ、ごめん… 良かったら、この傘使ってよ。俺、家近いから」
そう言いながら渡された紺色の傘。
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