プロローグ

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「お父様!!おめでとうございます♪」 そういって花束を渡してくれたのは我が最愛なる娘。時音 栞(ときね しおり)だ。 「ありがとう栞♪しかしわざわざ学校で渡さなくてもいいじゃないか。」 「理事長、栞がどうしても早く渡したいって言って聞かなかったんですよ。」 彼は最近できた栞の彼氏……………立花 貴司(たちばな たかし)君だ。 「だって貴司、今日はお父様とお母様の結婚記念日なんですよ!!素晴らしい日じゃないですか♪」 「まあ確かにそうなんだけど…………あっ、理事長!!結婚15周年おめでとうございます!!」 「よしてくれよ立花君。そんな大層なことではない♪」 「あぁ!!お父様、そんなこと言って!!お母様に言いつけますよ??」 「ふふっ♪勘弁してくれ栞。今日は一緒に帰ってくれるのか??」 そう私が言うと申し訳なさそうに立花君の方をチラッと見た。 「いいよ栞。今日ぐらい理事長と帰りなよ??」 「すまないね立花君。ありがとう。」 「いえ、せっかくの記念日ですから家族ならではを味わって下さい。」 「じゃあ栞、帰ろうか。」 「はい♪お父様。」
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