出会いと初恋

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「おい源次郎!!早く帰ろうぜ!!」 「源次郎!!お前いつまで勉強してんだよ??テスト昨日終わったところだろうが!!」 「泰三、弥彦、わかってないな。この復習というものが大事なんだぞ??」 彼らは月島 泰三(つきしま たいぞう)と山口 弥彦(やまぐち やひこ)。 高校入学から知り合った仲だったがこの一年間で随分と仲がよくなった。 あまりにも一緒にいるもんだから周りからは「ヤーさんズ」なんてけしからんあだ名もつけられた。 なぜ「ヤーさんズ」になったかと言うと……………ただ単に私達の人相が悪いからだそうだ。 特に泰三。がたいも大きいし丸坊主、いや、スキンヘッド。誰が見てもヤクザにしかみえない。 弥彦は弥彦で柔道をやっているのでかなり大柄だ。 私は…………………ごく普通だぞ??周りからは渋すぎ!!や高校生に見えない!!などと言われているが泰三や弥彦に比べればかわいいものだ。 まあそんな面々でいる訳だから怖いものなんてなかった。 廊下を歩けば自然と道ができ、目を合わせればすぐにそらされる。 私達はそんなつもりはないのだがどうしても色眼鏡で見られがちになってしまう…………… 「そうだ!!源次郎、泰三。実は俺………………彼女ができたんだ♪」 「「何!!!!」」 「おいおい弥彦!!お前柔道一筋って誓ってたんじゃねぇのかよ??」 「泰三…………………彼女も柔道してるんだ。しかも俺よりも強い!!」
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