本当の正義

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「俺はブラックXに騙されてこの世界に来た。俺は奴を追って元の世界に帰るつもりだ。」 「ちょっと待ってください!!」 そこで少年が割って入った。 「詳しくはアークエンジェルで聞かせてくれませんか?」 「アークエンジェル?」 「えぇ。アレです。」 少年の人型兵器が先ほどの白い獅子の形をした戦艦を指差した。 「あぁ。アレはアークエンジェルと言うのか。」 「はい。今の僕たちの家みたいな物です。」 「あんなものが!?」 「えぇ。」 少し少年の声が悲しそうに聞こえた。 「何故君の家があんなものなんだ?」 「それは……。」 少年は少し言いづらそうな声をした。 それを聞いたヒカリはあんまり聞いてはいけない気がした。 「いや、言いたくないなら言わなくても良い。それより、行くなら行こう。アークエンジェルとやらに。」 「えぇ。着いてきてください。」 少年の人型兵器を先に行かせ、その後にヒカリが続いた。 「フフフ………面白いことになったな。」 先ほどの少年とヒカリのやり取りを聞いていたブラックX。 「ではヒカリの強さを確かめてみますか。」 そう言うとブラックXはマントから一人の少年を出現させた。 「どうも初めまして。浅倉ハオさま。」 浅倉ハオと言われた少年は不機嫌な表情をした。 「お前か……僕をここに呼び出したのは。」 ハオはブラックXを睨み付けながら言った。 「まぁそんな怖い顔しなくても良いじゃないですか。」 「僕はシャーマンファイトの最中だったんだ…………覚悟は出来てるんだよね?」 「私を殺してしまいますと、元の世界に帰れませんよ?」 ブラックXはニヤニヤしながら言った。 「なら早く僕を元の世界に帰せ!!」 「えぇ。すぐに帰しますよ。けど条件が有ります。」 「条件だと?」 ハオは眉間にシワを作って言った。 「えぇ。あの戦艦を沈めてください。」 ブラックXはアークエンジェルに指差して言った。 「あれを落としたら帰してくれるんだな?」 「えぇ。」 「分かった。スピリットオブファイアー。」 ハオがそう言うと、背後から巨大な赤い巨人が現れた。 そしてその巨人と共にハオはアークエンジェルに向かった。
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