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痛みに耐え、必死に辿り着くと、そこは夕焼けの様に赤く染まっていた。
「……なんだ……よ…………これ……………」
目の前に広がるは黒煙と赤炎。そして乗り物だったモノがそこにあった。
「………………」
その光景はあまりにも無残な物だった。
ある者は上半身と下半身が二つに分離。
またある者は黒墨になっていて、辛うじて人の形をしていたので人間だったと判別出来た。
……これは………現実なのか?
放心する頭を左右に振り、今すべき事を必死に考える。
「………携帯!!!」
ふと思い出したように携帯を取出す。
「くそっ!!」
だが携帯の電波表示は圏外。
どうする?どうすればいい?どうすれば!!!
自問を繰り返す。
奇跡的に助かった者はまだいる。
何とかしなければ、何とか………
――そうか!助けを呼びに行けば!!
すぐ様行動に移すべくまた走りだそうとした時――
- ゴゴゴゴゴゴッ -
遠くから音が聞こえてきた。
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