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けたたましい音と共に彼らは突然現れた。
――いや彼女と彼らと言う方が正しい。
綺麗な白銀の鎧を身に纏った一人の女性を筆頭に、大勢の騎馬隊。
その数有に二千はくだらない。
――なっ!!!
俺は驚きのあまり、一瞬声を失ってしまった。
単純に理由は二つ。
一つは圧倒的な数。これだけ多くの人間が突然現れたこと。
そしてもう一つはその大勢の人間が皆、中世ヨーロッパを思わせる鎧を着ていたからだ。
普通に考えて今の時代鎧を着ることなんてまず無い。
そんな中で一際目立っていたのが、白銀の鎧の女性だった。
年は俺とあまり変わらない。
綺麗な銀の装飾品で彩られた鎧を身に纏い、真剣な表情で残骸を見ている。
顔は……。
かなり可愛い。
思わず触れたくなる様な栗色の髪と透き通る様な白い肌。
目は大きく翡翠色をしていて、見つめられるだけで男を虜にしてしまいそうな、そんな印象を受けた。
その彼女の顔立ちを見れば日本人では無いのは明らかだった。
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