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律子はゆっくりと立ち上がり、マンションを見た。
迂回路には敵がいない、ましてやマンション前にも補給兵がいるだけで、その兵の数も少ない。
拠点が新しいからか?
しかし、ここは前線だ。すぐさま兵を投入する所をなぜしない。
ふと、マンションの三階から、棒の様な物体が黒光りしていた。
「何だ?」
律子はウエストポーチから伸縮式の望遠鏡を取り出し、再びマンションを見た。
「あれは!?」
律子は、全身から血の気が引いた。
まさか、迂回路にも兵を配置しなかったのも、ここに来やすくする為!?
そして、突撃してきた所をあれで殺る。
よく見ると、二つもある。
やっぱりこれは、罠だ!
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