濁った太陽

13/17
前へ
/120ページ
次へ
律子はゆっくりと立ち上がり、マンションを見た。 迂回路には敵がいない、ましてやマンション前にも補給兵がいるだけで、その兵の数も少ない。 拠点が新しいからか? しかし、ここは前線だ。すぐさま兵を投入する所をなぜしない。 ふと、マンションの三階から、棒の様な物体が黒光りしていた。 「何だ?」 律子はウエストポーチから伸縮式の望遠鏡を取り出し、再びマンションを見た。 「あれは!?」 律子は、全身から血の気が引いた。 まさか、迂回路にも兵を配置しなかったのも、ここに来やすくする為!? そして、突撃してきた所をあれで殺る。 よく見ると、二つもある。 やっぱりこれは、罠だ!
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加