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律子は周りの状況を確認した後、再び宮本の下へ向かった。
「うっ、うぅ・・・」
宮本は未だに、嗚咽を漏らしていた。
「宮本」
「うぅ・・何・・すか?」
嗚咽を漏らしながらも、返事をした宮本を見て、律子はほっとした。
宮本は、この反新政府組織『牽牛』に入ってまだ二ヶ月しか経ってない。
宮本の様に日の浅い新米が、似たような惨劇に遭遇した際、気が狂ってしまったのを何回も見たことがある。
なので、この惨劇を見ても、気を狂わず、尚且つ敵に気づかれないように嗚咽を漏らしていたことには感心した。
この二ヶ月間、こいつが生き残って来たのが良く分かった気がした。
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