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「先・・・輩?」
宮本は状況が上手く理解出来ず、そのまま力無く律子を見た。
「敵前逃亡だ。」
律子は、鋭い視線を緩ませず口を開いた。
「えっ?」
「聞こえなかったか、敵を前にして、己の、自分の身の安全を最優先にする。これ則ち敵前逃亡」
あぁ・・・あああ。」
口をあんぐりと開けている宮本を見下ろし、律子はまだ喋り続ける。
「本当はここで銃殺刑にするとこだが、援軍が来るまで時間をやろう」
と、律子はゆっくりとAKの銃口を未だ唖然としている宮本の眉間に付けた。
「さぁどうする宮本。ここで私の指示に従い、この賭けに近い状況で逃走を敢行するか、それとも・・・」
「ここで汚名という衣を着たまま私に殺られるか」
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