逃走

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「・・行きます」 「前へか、後ろへか?」 律子は、AKの照準を宮本に当てたまま、宮本に聞いた。 「・・・前です」 宮本はそう答え、すっくと立ち上がった。 その目は、さっきまでの怯えた目ではなかった。 「最初からそうすればいいんだ。この馬鹿」 律子は宮本から照準を外し、裏拳で宮本の胸を小突いた。 「いてっ。何すんですか?」 「うるさい、そんなことを気にしてる暇があるのなら、自分の残弾の確認でもしてろ」 宮本はまだぶつくさと呟いていたが、言われた通り、残弾数を確認し始めた。 「・・・安全装置がかかってることぐらい、ちゃんと見極めろ。あの馬鹿」 律子はふふんと笑いながら安全装置を外した。
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