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戦場は、戦場とは思えない程閑散としていた。
大通りには死体、いや肉塊が転がり落ちていた。
音がするといえば、遠くからの断末魔や迫撃砲の音、僅かな砂埃が舞う音しか無かった。
永遠に続くような時間。
しかし、それを自分が崩すことになる。
そう思うと、律子は体の震えが止まらなくなった。
律子は軽く深呼吸をし、宮本に合図が出るまで待ってろと告げた。
出たところを撃たれるかもしれない。
そういう恐怖はもう捨て去った。
律子はAKの銃身にキスをし、目を閉じた。
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