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律子「!」
律子は咄嗟に死体を持ち上げ、それを盾にした。
パン フチュン パォン
銃弾が死体に当たり、死体は血を噴き出し、体の破片を撒き散らし、次第にボロボロになっていった。
「もう・・・もたない」
律子は道の途中で死体を捨て、一気に走り抜けていった。
銃弾の嵐を抜け、律子はやっとの思いで路地に着いた。
「すいません、遅れをとりました」
「生き残っただけでもいい。急ぐぞ」
隊長は先頭に立ち、AKー102を構えながら歩きはじめた。
隊員達も後をついていった。
「・・・・」
律子は歩きながら太陽を眺めていた。
昔の太陽は、こんなに濁っていたっけ?
硝煙や、血の臭い、建物が崩壊する音、
視覚以外の感覚で、太陽が濁って見える。
まるで、今の日本のようだ。
外見だけ取り繕って、中身は濁っている。
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