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安心しきった少年は、再び建物に視線を移した。 その瞬間、少年の表情は一変していた。 ピチャ…ピチャ…… 何か液体のような音と共に、それは建物の中から現れた。 「な………」 少年は言葉を失っていた。 驚きと恐怖が、彼の身動きをとれなくしていた。 『キキキミノスキナイイロハアア?』 頭にはハサミが刺さり、ビーズの片目はとれかけ、所々にある切り傷からは綿ではなく赤い血が流れ出ている。 異様なそれは、巨大なクマのぬいぐるみだった。
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