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少年は震える肩を抱えながら必死に考える。
(…なんだよ、なんなんだよ、コレは…)
少年は混乱しきっていて、まともに物事を考えられる余裕などなかった。
「あ、はは…なんて夢見てんだよ、俺は…」
『キミミノオススキナイロハァアア』
ぬいぐるみは少年にまた同じことを問い掛けた。
「い、色?…そうだな、俺、は…黒が好きだ」
少年が震える声でそう答えると、ぬいぐるみの口がニイッと釣り上がる。
それに気づかない少年は、俯いて肩を抱えたままだった。
(いくら夢だっつっても、こんな状況で普通に答えてる俺は、頭がイカレちまったのか…?)
少年がそんなことを考えている間に、ぬいぐるみは不気味な笑みをしたまま、自分の頭に刺さっているハサミを抜き取った。
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