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その夜、ゾンビ君の家では、
しめやかに通夜が行われていた
線香の匂いが立ち込める部屋
で、ゾンビ君の棺の前で、御坊
さんが、お経を読んでいる。
「南ー無ー南ー無ー」
チーン!
その時、棺がガタガタと動き
出し、皆のすすり泣く声が絶叫
に変わった。
やがて、青白い手で棺の蓋が
持ち上がる。
「ひえ―神様、助けて―」
坊さんは、目の前の恐怖で、
腰が抜けたらしく、逃げるに
逃げれない様子だ。
蓋が持ち上がると、ゾンビ君
は、上半身だけ起き上がった。
「ゾーンビだぞう」
皆が恐怖に、おののく中で、
そんなゾンビ君のボケに友達の
虎木がハリセンで、ツッコミを
入れる。
「そんなの言わんでも、お前が
ゾンビ君やって、みんな知っと
るわ」 バシッ!
「痛!…くな―い、ゾンビだか
ら…ただいま」
「おぉゾンビ―!ホンマに生き
返ったんか―」
【虎木 由良】とらき ゆら
ゾンビ君の幼なじみで、なぜか
下手な関西弁を使う。
あだ名は『伯爵』
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