プロローグ

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少女は白い夢を見ていた。 真っ白な世界に漂っていた。 自分が何者なのかも忘れ、白い世界に身を委ねていると、とても平穏な気持ちになる。 だけど、心の片隅に一点の染みのように沸き上がる感情を無視する事が出来ない。 人はその感情を、後悔と呼ぶだろう。 (行かなきゃ・・)  ・  ・ 世界が揺らぎ始める。  ・ しかしこの世界は容易に変わって行くものでは無い。 居心地の良さは怠惰となってどんな変化も抑えつけるのだ。  ・  ・ それでも、心の片隅に在る感情は、抑えきれない力となって姿を顕す。 「行こう」 力は言葉となり、声となって現れた。 そしてその声は、荘厳な鐘の音のように鳴り響き、世界の隅々まで行き渡る。 それは決意という名の鐘。  ・  ・ 世界に色が戻り始めた・・・。
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