レブデカの隅っこで

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「ふぁ~」 そんなシリアスな前置きに反するような間抜けなあくびがとあるタウンの隅っこで聞こえた。 ここはレブデカ。 かつて、主神オンにより創造され、下位神との戦いに深手を負ったアルメネスの青竜が遥か北のバラン島西部に逃れ、最後の力を振り絞って生み出した生き物、デカン族の住む街だ。 そんないきさつもなんのその、彼、セイランはノンビリと屋根の上でくつろいでいた。 「セイラーン!」 下から女の声が響いた。 彼女の名前はエレオン。 バラン島東部を拠点とする種族、ダンだ。 かつて両種族は戦争をし、一応和平は結んでいるものの、国家単位ではダン族とデカン族は非常に仲が悪い。 現に互いの事を良く思っていない傾向がいまだに残っている。 しかし個人単位ではかなり交流が深まっていてお互いの種族が自分の街を行き来していても何も言わないのが現状だ。 「エレ姉!何やってんの??」 「エルスに買い出しに行くから一緒に行かなーい?」 「行く行く!」 セイランは屋根から飛び降りた。 着地の時に少々よろめいたのは見ない振りw 少しふらつきながらとエレオンのそばに走って行った。
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