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少年よ、大志を抱け
佐藤は木製のベンチに腰掛け、夜空を見上げていた。
ブロンド美女との出会いはアメリカにある。
そう、信じて疑わなかった。
確かに日本に居るよりはブロンド美女を目にする機会は多かった。
だがそれは出会いとは違った。
ただ見掛けただけなのだ。
佐藤の胸を疑問が過る。
なぜ誰も俺に振り向かない?
薔薇の貴公子と呼ばれ、日本でブイブイ言わせていた自分になぜブロンド美女は微笑まない?
衝撃だった。
街行く男は皆、ムキムキムチムチなのだから。
佐藤には自分がムチムチだという自負はあった。
だがしかし、圧倒的にムキムキ感が他と比べて足りない。
そう気付くのにさほど時間はかからなかった。
そこで夜空を見上げていたのである。
どうすれば自分もムキムキになれるだろうか?
郷に入れば郷に従え。
言われるまでもない。
だから悩んでいるのだ!
渡米して、三日目の夜のことだった。
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