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いつもより情熱的で
いつもより濃厚な口付けから解放されると
息苦しさからなのか何なのかわかんない涙が目に溜まってて
霞んだ視界の中、至近距離の名取くんと視線が噛み合う。
イッセイ「お前はお前のままでいい。失敗ばっかりで、でも頑張ってる姿を見て手助けしてやるのが俺の役割。何でもこなせるサクラなんて気持ち悪い」
サクラ「……………それ…ひどくない?」
イッセイ「ほんとのことだろ?俺みたいに何でも出来る奴だったなら。俺はお前を好きになってない」
サクラ「…………こんなあたしでもいいの?」
イッセイ「そんなサクラだから好きになったんだ。俺の為に頑張ってくれてるのは嬉しい。でも少しずつでいいから。お前はお前らしさを失うな」
サクラ「………………名取くん…」
そしてまた
ゆっくりと名取くんの顔が近付いてきて………
唇に、頬に、おでこに、首筋に…
いっぱいいっぱいキスの雨が降ってきた。
名取くんの唇が触れる場所が熱い。
同時にその口付けの一つ一つが
くすぐったく感じるけど
すごくすごく心地よくて
あたしは目を閉じて名取くんのくれるキスの雨を受け続けた。
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