美術室の隅っこで。

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何度か素晴らしい絵に遭遇はしたが、正直ここまでの作品は初めてだったのだ。 「先生、これ貰って良いですか」 この絵が欲しい。 私はふいに思っていた。 ――何か、普通では考えられないほどの素晴らしさ、それが率直に伝わってくるのだ。 「うーん、作者分からんし、置いといてもなんやし、ええよ」 「やったぁ」 私はその絵を抱き締めて、思わず跳び跳ねた。 まるで、百点をとった子供のように。 ――しかし。 この絵が私の運命を変えることになるなんて、全く予想すらしなかった。
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