始まり

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「大丈夫やって!ちゃんと紹介するから!」 奈央香は私の肩をぽんっと叩く。 私はありがとう、と笑いながら課題の続きをした。 別に、いいんだ。 彼氏が一緒にいたくらい。 気が重いのはそれだけじゃないんだ。 チャイムが鳴った後、私はクラス全員分の課題を集めて奈央香と職員室へと向かった。 6時間目が終わったばかりなので、皆はホームルームを行っている。 ……だが、 「おい、ブス野郎!真面目ぶってきもいんやけど」 後ろからばか笑いが聞こえる、 ――私にだ。 耳にはピアスに髪は茶色、だらしない服装の男子たちは私の横を歩いて行った。 「陽、あんなん気にしたあかん。ほっといたらええんや」
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