344人が本棚に入れています
本棚に追加
中に入ると、油絵の具の匂いがムッとした。
棚や、段ボールにはホコリがかかっていて、いかにも使われてないという様子が分かる。
暗いし、どんよりとさせる雰囲気は不気味だった。
「何か掘り出し物でも見つかったりせえへんやろか?」
そんなくだらない事を考えながら、部屋の奥に進む。暗さが増すようだ。
私は、辺りを見渡し、何かないかとホコリだらけになった部屋中を探す。
―するとだ。
部屋の隅に一つ、油絵があった。
別に、美術室なら珍しくはないのだけども、その絵は私を引き寄せるように存在していたのだ。
暗くて色合いが分かりにくいが、どうやらキャンバスの上には人が描かれているみたいだ。
最初のコメントを投稿しよう!