魔王と勇者

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ソックは血走った眼球で噛みつかれるような視線を向けてくる。同時にソックは黒いマクベスに姿を変え、あたり一面に竜巻を発生させた。 竜巻はソックのまわりを波紋のように広がり、城の屋根瓦を根こそぎはぎとっていく。 攻撃を予測していたかのようにブラックは俊敏に反応し、オークの腕を掴んで飛び上りながら攻撃を避けた。 瞬間、ソックの予想外の行動が目に入った。しかし、発生した竜巻の影響で近づくことすらままならない。 「先代魔王マクベスを……食べた?」 オークは口に手をあてながら、マリアベルの頭を噛み砕いているソックを見つめる。 ソックは以前より“食”に対する多大なる欲を見せている。それは200年前、魔物達が勇者と戦っていた当時から、人間を食してはその能力を身につけていた。 「しまった……そう来るとは考えていなかった」 オークの腕を掴んで空に静止しているブラックがぽつりとつぶやく。 竜巻が止むとほんの数秒間、辺りは無音の世界に包まれる。 「うあああああああああああ!」 激しい咆哮と魔力がソックから湧き出した。ブラック達では近づく事すら困難なほどの魔力の圧力の壁に、目を開ける事すら苦に感じてしまう。 元々オークやサタンと同等以上の力を持つソックが、先代魔王マクベスの力を足し合わせただろう魔力。マリアベルを倒し、安心しきっていたオーク達に絶望が襲いかかる
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