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マクベス、タウルは気配を消しつつ、ファニール城の裏庭の方角から接近していた。
「おい、マクベス。ファニール王は何処にいると思うよ?」
走りながらタウルが尋ねると、マクベスは城の屋根の付近を真っ直ぐ見つめる。
「判らない。外からは中の様子を確認できないけど、もしかしたら展望室にいるのかもしれないね」
「おい、それだとやばくないか? 俺等の姿も見られてるかもしれないじゃねぇか!」
「そうかもしれない……でも、どちらにせよ殆どの戦力は表でロアーヌ軍に抑えられているはず。僕等は残っているファニール王だけを倒すだけだ!」
マクベスはそう言うと走る足を更に速める。タウルも必死に付いて行くが、追いつくのがやっとであった。
「……見つけた、あそこだマクベス!」
そんな中、ファニール城の裏口を一度脱出する際に使用していたので、タウルが直ぐに発見する。
マクベスは頷いて、走る方角を定めてその扉を目指した。
しかし、まだ離れた位置だというのに、裏口の扉がゆっくりと開きだす。
嫌な予感のした2人は、走る足を止めて、その扉を見つめた。
「やっぱり見つかったか……な?」
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