恋の芽生え

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こっからは一人だな。 そんなに遠くないし、まだ慣れてないが、大丈夫だろ。 あとは… 「お前の家はこっちじゃないだろ、藍……」 「いいじゃ~ん」 「帰れ」 「ぶ~」 ふてくされながら歩いていく藍を確認して、俺も歩きだした。 家まで10分ぐらいかな… この辺りにはいろいろな建物がある。 家までの道中にも書店、ファーストフード店、CDショップなどなど。 なんていうか……プチ都会? 少し小さいがビルもあるしな。 で、建物が疎らになり殺風景になると、俺の家が見えてくる。 高校進学と共に引っ越してきた家だ。 親が知人から“使わないから”ということでもらったものらしい。 人に家をあげるって、どんな人だろうか… 相当金持ちなんだろうな… 引っ越してきたときは汚れて酷かったけどな、なんとか掃除して結構綺麗になった。 家に入ってとりあえず鞄を部屋に置きに行く。 「やっぱり、一人で住むには広いよな…」 使ってない部屋がいくつも残っている。 別に誰も来ないし、ちょっともったいないな。 とりあえず、適当に夕食を作り、風呂を沸かす。 「ほとんど残り物になっちまったな」
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