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その後、俺は結局コイツの改造計画に付き合うことになった。
「梧桐先輩がこの学校で一番カッコイイです」
なんて持ち上げられたら同性だとしてもその気になってしまう。
そしてあっさり承諾してしまったのだ。
だからって決して俺が流されたわけじゃない!
断じて乗せられたわけでも押し切られたわけでもない!!
そういって体面を張ってみたりする。
『おいお前!学校では近付くなよ』
「梧桐先輩!お前じゃないです、歩です!!」
『ふざけんなっ、なんで俺がお前の名前を呼ばなきゃならねぇんだよ!!』
「じゃあ飯坂で我慢します」
『お前舐めてんのか!!』
「ななな、舐めたら汚いですよ!!」
『なんでそこで赤くなるんだよ!』
…今はものすごく、後悔していたりする。
同じ人間、皆兄弟…なんて平和主義者の呟きがクソに聞こえた。
こんなにも未知なる生物を俺は見た事がない。
だから疲れる。
もの凄い疲れる。
本当はコイツのペースに乗せられてる事に気付いていた。
だからこそ面白くない。
俺は自分のペースを崩されるのが嫌いだ。
だから出たくない授業はサボるし、朝起きて行く気がしなければ休んだりする。
人間関係だって、友達と騒ぎたい時は混ざるが面倒くさい時は一人で過ごした。
それを協調性がないなんて言われるが関係ない。
こうして自分を乱されるのが嫌だったんだ。
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