Change in my world

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――――土曜日。 昼間だという事も相まって駅前は凄い人でごった返していた。 俺は携帯で時間を確認しながら改札を通り抜ける。 するとすぐに飯坂の姿を発見した。 『お前っ!!!』 「あっ、おはようございます!」 『おはようじゃねーよ。なんだよ、それ』 「え?」 なぜか彼は制服のままだった。 今日は学校が休みのはずだ。 てっきり私服で待ち合わせだと思っていたのに、そこだけ浮いている。 「あ…お、お、オレっ…こういう所にどんな服を着ていけばいいのかわからなくて」 『だからって制服かよ』 今日の俺はだいぶラフな格好をしていた。 並んでみると両極端で変。 まるで悪い大人と喝上げのカモにされた子供だ。 身長差と飯坂の格好が拍車を掛ける。 『つーかお前いくつなワケ?』 成長期を見越して買った大きめの制服が痛々しい。 「あ…13…です」 『はぁ!?』 ってことは中一なのか。 俺と四歳も離れている。 学生のうちの四年とは凄く大きい。 通りでガキ臭いと思った。 『その年でませてんなー』 格好良くなりたいなんて良く言ったものだ。 さすがの俺もおかしくて苦笑する。 すると飯坂は顔を真っ赤にして俯いた。 馬鹿にされてると思ったのだろうか? 始めから馬鹿にしていたわけであるから何の問題も無い。 『しょうがねーな』 俺はヤツの脇腹を肘で軽く突っつくと歩き出した。 すると飯坂は慌ててついて来る。 「あぅっ…梧桐先輩のプレイは激しいですっ」 『おいテメー紛らわしい言い方すんな!』 「だからテメーでもお前でもないです!!歩ですってば!」 『知るか!』 どうせ期間限定の繋がりだ。 俺は後ろからぎゃーぎゃー言ってる飯坂を無視して歩き続ける。 そして街へと繰り出した。 人間の改造計画なんて高が知れてる。 オンナなら化粧なんかでも充分に変わるが男は素材をどう生かすかにかかっているのだ。 ポイントは髪の毛、眼鏡、洋服といったところか。 俺は飯坂を連れて自分のいきつけの美容室へ連れて行った。 どうせコイツの事だから家でママに切ってもらっているか良くて床屋でカットしてもらっているのだろう。
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