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「杏、てめぇ！」
「あははー！悔しかったらかかってきなさいよっ！」
やっぱり主犯は杏だったみたいですね、はい。もちろん予想通りだったさ。つーか、こいつ以外にこんなことを考えるやつは……いないよな？
「待てこのやろう！」
だから俺は、即立ち上がって杏を追いかけ回したのだった。
で、結果論から言わせてもらうと……杏はあっさりと捕まえることが出来た。出来たんだけど……あいつは変な声を出したりするし、俺を痴漢呼ばわりするし……最悪だったね。
もうあいつを追いかけ回すのはやめることにしよう。そう決めたのが夏のある日のことだった。
そして、再び訪れたまた夏のある日の話……
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